TOPページ > 中国語検定試験とは > その他中国語検定資格との比較
一章でも述べたように、中国語の関連資格には、中検のほかに漢語水平考試(HSK)・中国語コミュニケーション能力検定(TECC)、中国語通訳ガイド試験などがあります。その他、翻訳検定や通訳検定なども数多くありますが、中国語力を証明する資格としては上記の四つが比較的有名です。では、それぞれの試験と中検とを、以下に比較してゆきましょう。
HSKは、中検と双璧をなす中国語関連資格の雄であると言えます。中検が日本側のオフィシャル資格とすれば、HSKは中国の国家機関による試験。外資系の企業で働いたり、中国の大学へ学部留学する場合は、中検よりも圧倒的に強い資格アピール力を持っています。HSKは中国語レベルが高いほど級数が上がるシステムとなっており、まず一般受験者向けの初中級試験が1~8級まで、エキスパート向けの高級試験が9~11級となります。HSK初中級試験の出題形態は、英語のTOEFLに酷似しており、問題文や解説が全て中国語、全問マークシート、スピーキングやライティング試験が存在しないなどの点が特徴です。中検との比較としては、入門者・初級者には敷居が高い反面、上級者にとっては比較的容易である点、リスニングの難易度が高いものの、リーディングはかなり簡単である点、などが指摘できると思います。両者の級数を相互に対応させると、
HSK11級 ―― 中検1級
HSK9~10級 ―― 中検準1級
HSK7~8級 ―― 該当なし
HSK5~6級 ―― 中検2級
といったところになるでしょう。
いっぽうTECCは、日本国内でベネッセコーポレーションが主催する試験ですが、資格の知名度・通用度の点で、HSKや中検と比べて見劣りする感は否めません。ただ、英語のTOEICを意識した問題傾向・点数結果(1000点満点)を特徴としているため、自分の中国語力を細かい数値で測定できることが最大の魅力です。定期的に受験することで自分の能力向上のバロメーターとして活用することができるため、どちらかと言えばキャリアアップよりも自己学習向きの試験であると言ってよいでしょう。
他試験とすこし色合いが異なるのが、中国語通訳ガイド試験です。これは通訳案内士という立派な国家資格で、来日した外国人のガイドを行うための外国語力と日本文化への知識を判断する試験となります。近年になって若干簡単になったものの、回答にはかなりのライティング能力と読解力が要求され、また面接試験もあるため、中国語検定準1級レベル以上の実力がないと、合格はなかなか困難になります。日本国内の公的試験であるため、中検の上位級と同じく、難解な故事成語や瑣末な単語・文法事項にこだわりがちな傾向も特徴のひとつです。
それぞれ試験によって出題傾向に違いはありますが、自分の応用力を向上させるためにも、中検の他にもうひとつ、頻繁に受験する資格を持っておくとよいかも知れません。
■今では、インターネットによる通信講座も色々なものが出てきました。生涯学習のユーキャン「ピンズラー中国語」やスピードラーニング中国語など色々なものが出ています。色々ありますので自分にあったものを見つけて活用するようにしましょう。